「いちばんやさしいアジャイル開発の教本 人気講師が教えるDXを支える開発手法」

この記事は 「ひとりでアジャイルo0h① Advent Calendar 2021」のday-22です。 adventar.org

day-2は「いちばんやさしいアジャイル開発の教本 人気講師が教えるDXを支える開発手法」です。

どんな本

アジャイル開発ってどういうものなんだろうね?」というのを扱った本です。
「教本」というシリーズ名の通り、レベル感としては初学者向け・実践よりも知識や効果について重心を置いている、それに挿絵が多く見出しもキレイなので紙面の印象としてメリハリのある感じも受けました。読みやすい・見やすいと思います。

個人的には、「アジャイルって全く触れたことがなくて」とか「スクラムやカンバンを始めてみようと思うんだけど」という人たちに渡しやすい本ってないかな?と思って探している中で、手にとった本です。

経営層・マネージャー層に向けて「アジャイルとは」を説明する本は読んだことがあったのですが*1、「開発者だけに向けたわけでなく、PdMやビジネスサイドだけに向けた訳でもなく、本当に概要や思想の感覚を知るためにアジャイルを概説した本」という意味で少し珍しく感じました。(自分がこれまでに読んでいないだけで、そういった書籍はたくさんあるとも思っていますが)

アジャイルについて、登場の背景・考え方の特徴や強み、弱み・(スクラムを例にした)活動の雰囲気を知ることができそうです。

お気に入りポイントかいつまみ

概要的であり「なぜ」「なにを」に終止している点

「入門書」にはいくつか方向性があると思うのですが、その中の1つは「真似してやってみれるようにする」ためのプラクティカルな本だと思います。
で、この本はその真逆、とても「概要を広くそれなりに浅く」のレベル感を保っているように感じました。
そのため、開発職が読んでもいいし、非開発職(プロダクト制作/製作に関わっていない人、プロダクト部門でない人も含め)が読んでもOK!なバランスになっています。

「はじめに」で述べられているコンセプト、

アジャイル「開発」という名が示すように、技術者をターゲットとしているのはもちろんですが、経営者やマーケッター、セールスパーソンなど非技術者でもアジャイル開発を理解し実践できるように心がけました。

市谷聡啓,新井剛,小田中育生. いちばんやさしいアジャイル開発の教本 人気講師が教えるDXを支える開発手法 (「いちばんやさしい教本」シリーズ) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.39-41). Kindle 版.

が実現されているように感じます。

程よく「どうやって」にも触れている

執筆陣には、「カイゼン・ジャーニー」のコンビの名前もあります。
あちらあとても「現場的」な本でした。まさに「このとおりにやってみよう、真似してみよう」というプラクティカルなところが先にあり、そこに対して理論や背景を解説するような。
もちろん、その「やり方」「理論」の両軸ともしっかりと質が高かったから良い本足り得るわけです。

そんな面々が関わっている本なので、本書も「どういうことなのか」の説明が分かりやすいです。
先に書いたとおり、全体を通じて「概要」レベルの話を展開している訳ですが、そこから「実際にはどんな感じなの」を感じさせる程度に少しだけプラクティスの話も入っています。(例えば「プランニングポーカー」とか「ペアプログラミング」「KPT」なんて単語も出てきます)
これがあることで、「だたの理論」で終わらずに、「実際に現実の開発プロジェクトで使われているんだろうな」というイメージをするための橋渡しになっているように感じます。

まとめ

自分としてはサラサラと読む感じでしたが、初学者が2,3冊目に読むような本としては薦められそうだなと思いました。
例えば「カイゼン・ジャーニーを読んでみたが、より理論的な所を知りたい」と感じた人にとってこの本が答えになるかも知れません。

「あのチームはアジャイルなんとかっていうのをやっているらしいぞ」「なるほど、それは一体何なんだ?」って感じになったら読んでみて欲しい本。