この記事は「そーだいなる Advent Calendar 2025」の 「13日目」 の記事です。 adventar.org
アカセさんの記事を読んでいて、「チケットまで取った映画を観に行かずにクリスマスイブに飲み明かした」ってエピソードで大変笑わせてもらった思い出が蘇り、自分もお礼(なのか?)に書いてみようというものです。
クリスマスにドラゴンボールの映画観ずに飲んでた話、聞いてて爆笑させてもらったので「俺もそーだいアドカレ書かないと行けないかもな?」って気分になってきた
— 今日も誰かのにちようび(おいしい鮭親子丼) (@o0h_) 2025年12月31日
何か書くかも https://t.co/dxjIRI2mIz
スライドのつくりを途中から変えた
スライドを作る時にそーだいさん風のやつを真似しております。
伝わるでしょうか、こういうやつです。
実際の例として、先日のPHPカンファレンス福岡での自分の発表資料を挙げてみます。
制作中の資料と、フォークして作られた最終版、それぞれのバージョンがあったので比べてみます。
★before

最初はこんな感じでした。
これで発表しよう〜となっても全然行けるとは思いつつ、もっと磨き込んでいって・・
★after


このような形に。
やってみてどうだった?
話す内容や言及するフレーズを、ちゃんとスライド上に投影するか。あるいは、ポイントだけを載っけておいて一瞥で捉えられる程度に留めつつ、口頭で補足する割合を増やすか。
人によるところですが、自分の場合は後者の方が喋りやすいし、自然に流れを作れるな〜って。*1
他方で、「最悪、スライドの内容をそのまま読み上げればOK」な程度には情報を載せているのもポイント。本番は緊張もするし時間配分の問題なども諸々ありますからね。「何を話すつもりなんだっけ??」って頭の中が真っ白になった時のセーフティを作ります。
んで。
最初はそうした「話しやすさ」重視でやってきましたが、もう1つ重要なメリットを、何度か場数を踏む内に感じました。言語化の練度です。
スライドの制作中、もっと言えば内容を考えている途中には、「言おうと思ったこと」がフラットに頭の中にあるんですよね。情報は揃っている、が、立体感が無いみたいな。
そこから登壇内容の細部まで全体が揃ってきたり、素振りを繰り返す内に、オートクライン的な効果もあって、「ここが大事だ、ここで刺しに行きたいぞ!」が見えてきます。フラットだったものが立体感を帯びてくるような感じ。
そうやって煮詰められてくると、やっぱりスライド1枚1枚のまとまりが良くなるな〜と。ここまで来て初めて、「スライドの内容を1文まで絞り込む」ができる。
なので、これは「単に話す時に便利」に留まらず、「しっかり思考を蒸留できているかな?」を測るバロメータにもなったし、そこを目指しながらスライドを制作するぞ〜となったのでした。
2024年の3月から
きっかけになった体験がありまして。
PHPerKaigi 2024のあとに、ピクシブさん(とtadsan)のお力で開かれたafter hack的なイベントで、ゆるゆるとタイムシフト動画を上演していた時です。
その内の1つに、そーだいさんの発表もあった訳ですね。
「スライドにワンフレーズをドーンと載せておいて、じっくり解説する」みたいなスタイルやってみたいな・・・!
— 今日も誰かのにちようび(おいしい鮭親子丼) (@o0h_) 2024年3月10日
という気になった
(そーだいさんの発表を見ていて)
このスライドの感じだと、
- 喋る量をその場で調整しやすそう。会場の雰囲気とか持ち時間とかと相談しながら
- 1番言いたいことはスライド上で凝集できている、なので資料としても利便性が良くなる
なんてことを思ったりしたわけです。
「ついここ数日で資料作りと発表を終えた開放感、自分なりの反省が頭の中にあるぞ」ってタイミングで降ってきたこの気付きには、妙に魅力を感じました。
その翌月にあったPHPカンファレンス小田原から、実践に移す事になります。*2
実際に比較してみると。
3月のPHPerKaigi・・はコード解説系が中心なので、その前のPHPカンファレンス関西を持ってきてみました。雰囲気が変わっているのが分かります。
★2月のスライド

★4月のスライド


どんな感覚でやっているのか
スライドの文字数は確かに減らしているので、「情報量が減っている」ことになるのか?というと、「意外とそんなことはない / そうならないように削ぎ落としている」ような感じがします。
例えるなら、「最近っぽいビジネス書で、太字のところだけを抜き出した」のがスライド上に現れるもの。それで本筋の8割以上は伝わるはず。ビジネス書って、強調部分だけを拾っても、要点を理解できるようになっているものが多いですからね。
それと合わせて、「本筋」「幹」「骨格」に対する「補足」「枝葉」「肉」に当たる話では、スライドレイアウトを変えるようにしたり。
前者が、ここで取り上げた「1,2センテンスをセンタリングして70pt以上でドーン」ってやつですね。後者は、図やコードが入ることが多かったり、箇条書きだったり。
あとは矢印や吹き出しを良く使いますね!
土台となっている内容と、そこに乗せたり連鎖させる流れを、構造化して捉えやすくなるのかなぁと思います。
さっき「立体感」と表現したパラメータに、これらの全てが与しているなぁと感じます。
スライド制作、発表の「体験」の変化でもあった
つくりの変更は、自分にとって良い刺激になっています。
雑に散らかす→発表や公開に向けて整える!という流れは、今も昔も変わっていないのですが。
何となく「完成した姿」のイメージが変わったことで、「ここ文字数多いな、もっと凝縮できそうだな」なんて嗅覚が働くようになりました。
「話す時に便利そう」でやってみたフォームが、準備や思考の過程にもフィードバックされているのですから、面白いなと感じます。
そして発表する時には、「お題をスライド上にドーンと映す」「そこに即興的に反応して、自分の引き出しからコンテンツを放り出す」っていう感じ。
1スライドに載せる量を絞りまくる、というと高橋メソッドもありますが。あちらは喋るスピードとスライドをめくるテンポが連動する感じですよね。
それに対して、例えば「1スライドに20文字だけ書いて、それで45秒喋る」というような、スライドを膨らませるような形になります。
そう考えると、スライドに載せることが「話す内容」ではなく「話し手である自分を刺激するもの」であり、スライドは「話し手(自分)とその中にある知識・経験に対する触媒」とも言えるでしょうか。
もともと発表者ノートにスクリプトを書いていない!っていう人であれば、発表時に口から出るのは、一定の割合でその場・その時点で生み出された言語表現という事になります*3。
であれば、「自分が拾いやすい」ようにスライドを最適化していくのは、有利な状況を作ってくれるはずなのです。視覚から仕入れて処理される文字数は少ない方が負荷が低いし、本当に抑えるべきポイントの判断をミスりにくくなるのは、とても楽です。
そーだいさんといえば「いい話」なので
以前に#yokohamanortham で「いい話」について聞いたのですけども。
僕の場合はいい言語化ができたなっていうのをいい話としているんですけども、
言語化をできるようになったなって思うようになったのはいつかって話ですよね。
僕、構造とか言語を認知するの得意側なんですよね。
それのアウトプットが、インプットは得意って話なんですけど、
アウトプットがついてくるようになったのを多分、
外で発表するのをめちゃくちゃ数こなすようになってからって話だと思うから、
多分27、8ぐらいからはてブがつくようになってきたなとか、
登壇良かったよって言われるようになってきたっていう感じで、
そういう風に自分の言語化ってこうすると人に伝わるんだとか、価値が提供できるんだって思うようになってきてからですかね
今回、自分でもこの記事を書いていて、ああしたスライドのつくりっていうのは「構造化して考える」ことの現れなんだな〜〜と感じました。
そういう上手い人の真似で「形から入る」をやってみることで、レベル上げに繋がるのかも知れません。
自分の場合は、「まず散らかして→整えて→磨く」という肯定を経た上で、最終的に「真ん中に良い感じな言葉をドーン」の姿になるのですが。
最初から言いたいことがハッキリしているし、それに耐え得る経験値や技量があれば、初手から「それぞれのスライドで押さえておくべきポイント」に基づいた構成ができるのかな〜なんて気もします。
ということで
#そーだいアドカレでした!
色々な「◯◯さんスタイルのスライド/登壇」をトレースしてやってみるの面白そうだよな〜なんてことも思ったり。
あんまりsoudai1025さん自身や思い出について書いておらず、自分の体験ばかりになって恐縮ですが、「こんな形で影響を受けているモノもあるよ」という話でした。
あと、「どうしたらあんな風に伝わりやすく表現できるのか」を自分なりに体験・考察してみた話でもあるかも知れません。
*1:同じスライドで滞在するのがあまり得意じゃない、一定のテンポでめくりたいな〜というのもありますが、これは完全に好みの問題ですね
*2:ちゃんとご本人も「真似させていただきやした!!!」って伝えました。深夜にラーメンを食べながら。もう暫く、あの時間は来ないかも知れないですが・・
*3:ちゃんと準備して頭の中に流れが入っているのは前提でありつつですが




