「FunRetrospectives: activities and ideas for making agile retrospectives more engaging」

この記事は 「ひとりでアジャイルo0h② Advent Calendar 2021」のday-16です。 adventar.org

day-16は「FunRetrospectives: activities and ideas for making agile retrospectives more engaging」です。

5日間続けてきた「レトロスペクティブ祭り」の最終回です。

どんな本

FunRetrospectivesというサイトがあります。

www.funretrospectives.com

その書籍版、というものです(ざっくりした表現)。

本書は大半を割いて「レトロスペクティブに関する(構成するための)アクティビティ」のカタログを成しており、その数は90個以上に及びます。
その中には、レクリエーションよりのアイスブレイクのためのものだったり、同様の形式で少し観点を変えるようなバリエーションであったりも含まれるので、人によっては「使えるものはもっと少ない」と感じたりするかも知れません。

平易でコンパクトな英文で、1アクティビティにつき1枚の解説イラストを用意するような形式になっており、パラパラとめくりながら面白そうなものを探してみる〜というのが良い付き合い方かも知れません。

webサイトと同じく、アクティビティを7つのカテゴリに分類して紹介しています。

  1. Energizer
  2. Check-in
  3. Main course: Team Building
  4. Main course: Retrospective
  5. Main course: Futurespective
  6. Filtering
  7. Check-out

これらを、「レトロスペクティブミーティングの型」のようなパターン(本書では”The 7 step agenda”にそって組み合わせたり、チームの状況(チームやプロジェクトの時系列上の位置・ステージ、レトロスペクティブによって何を得たいか?というコンテキスト)に合わせてピックアップして使いましょう!というものです。

お気に入りポイントかいつまみ

自分は、今回のAdvent Calendarに際してザザっと通読してみたのですが、その結果として「雑多なレトロスペクティブアクティビティが脳みそになだれ込んできた!!」という体験となりました。
それによって、レトロスペクティブの「自由さ」みたいなものを感じられたし、単に「引き出しが増えた」という以上に「やりたい事を考える上での種を手に入れた」という気がしています。

もともと、本やネットで探したり出会ったレトロスペクティブの方法を、アレンジしたり使いやすいように言い換えたりするのは好んで行っていました。あるいは、「こうやって参加者を導くことができそうかもな?」とオリジナルのコンテンツを練ったり。
この本を全体を通して読んでみることで、それがもっと解放されたような感覚があります。

ざっくばらんな(しかも一定のクオリティを担保されている)インプットを多量に・集中的に得ることで、それらを包み込むパターンだったりエッセンスとなりうる部分が透けて見えやすくなったりします。
「こういう造りを持つことで、参加者からこの反応を引き出そうとしているのだな」とか「こういう部分に目を向けさせようとしているのだな」とか。
自分にとっては、そうした「守破離」の「破」に至るような題材としての効果があった感じが嬉しかったな〜と思いました。

とりわけ「1個ずつ、自分にあったものをカタログから探し出して使う」というユースケースであればwebサイトの方が理に適っているのかも知れません。
だらだら〜っとめくって目を通してみたいな、という時には書籍もおすすめです。

まとめ

いくつも「コレやってみたいな、面白そうだな〜」と感じるアクティビティもあったりで楽しく読めました!
個々のアクティビティを探ってみたいな、という時にはアジャイルレトロスペクティブズよりも手軽に読める感じがします。

今後も時折お世話になりそうな予感がする1冊でした!