認定スクラムマスター研修を受けた

この記事は 「ひとりでアジャイルo0h① Advent Calendar 2021」のday-11です。 adventar.org

day-11は、書籍の紹介の代わりに、参加した研修の話です。
今年の3月に認定スクラムマスター研修を受けてみたので、それについて「ひとりでアジャイルスクラム編〜」カレンダーの1篇としてふりかえってみたいと思います。

受けてどうだったの

楽しかったです!
自分の中で何かを「掴んだ」ような手応えもあったし、それ以上に「これから学んでいく上で、どういう部分を大事にしていきたいか」を受け取れたように思います。
勿論、決して長くはない研修なので「ここに答えがある!」「受けただけで全てが変わる!!」というものではないですが、しっかりと「やっていくぞ〜」という気持ちにはなれたかと思います。

研修というと「コンテンツ、形式知」について「何が得られるか」に意識がいきがちかと思います。自分もそうでした。
ですが、やはり「場」の価値も計り知れないのではないかと。半分以上は「参加型」な研修になるので、寧ろ「そこで何が起きているか、どういうことを経験できるか」から得たものが大きいようにも思っています。

相応の費用がかかるので「コスパはどうなの・・?」というのには一概には答えにくいですが、自分としては「買わない後悔より買った後悔」で動いてみて良かったなーと言い切れます。
実際、後悔はなくて「とてもよかったな〜」という気持ち。

(ちなみに、何となく「会社の費用or一部負担で受けてそうだな」って感じの人が多かったです。直接聞いたわけではないですが。同じグループになったのは大企業さんの人が多かった印象)

どうして受けたの

スクラムと言えば、前々職で「POいるし、2週間毎にプランニングしているし、ベロシティも測ってるし、レトロスペクティブもやっているよ」という経験をしていました。
その当時が「スクラム」なるものがあるらしい、と知った初めての場です。

とはいえ、(今思えば)スプリントレビューもなければスクラムマスターもいない状態でしたし、「スクラムをやっています」っていうには遠い感じでした。

その後、昨年末から今の職場で「新しくプロジェクトをやってみる」「初めてのプロジェクトリーダー」を任されることになり。

中期的な計画を立ててそれに付き従う?・・・要件もわからん、そもそも自分がドメイン知識もない、メンバーの実力もわからん、これで「計画」「見積もり」をして「工程を組む」なんて出来ないだろ・・・
であれば「少しずつ進めていく」しかない。
あ、アジャイルか?
ん〜、そしたら何となくスクラムは勉強すれば動かせるかも・・・?

という流れで、勉強をし始めてみました。
1週間で複数冊の書籍を買ったり摘み食いして読んだり・・を繰り返しながら、なる早で藻掻いていた感じ。
結局「スクラム風の何か」を採用して動かすことになり、ここで一定の手応えを感じつつ興味を持ちます。面白いなーと。
そうなると「ちゃんと勉強したい」という気持ちが湧いてきます。
また、「どうにかして健全で真っ当に開発できる組織を作りたい」と考え続けていた時期なので、「今後、(自分の立場で言えば)アジャイルっぽい動きを増やしたり、社内をそっちに寄せていく可能性もあるのかも?」とも思えてきました。そうすると、「オフィシャルに自身の知識・思考を証明できる」という後ろ盾になる材料もほしいな、と。

以前の職場で、同じチームにはならなかったものの「認定スクラムマスター」な同僚が居たことを思い出します。
当時は「えぇ、20万も支払って資格とかとるもんなの・・?全くわからん・・・・」と思っていたのですが、今なら「ここで支払っても、恐らく仕事で十分に取り返せる。職場が変わる/変える余地が存分にあるし、今後、キャリアを精査される場面に出くわしたとしても”そういう方面も行ける・興味がある”っていうのはプラス材料にできるだろう」という風に感じました。

・・・費用面、「本当に意味があるのかな?」という懸念、そしてClena Agileを読んだばかりでしたので少なからず悩んだのですが。

それに、自分はこれまでの人生において何らかの資格をとったり検定を受けたことが無く、研修も会社の費用で1度受けたくらいなので、「それが何になるのか」はイメージできていませんでした。高いし。

Clean Agileの第6賞には「認定資格」という節があり、"今あるアジャイルの認定資格は、完全なるジョークであり、完全にバカげたものである。認定資格を真剣に受け止めてはいけない。" "認定資格が意味するのは、数日間の研修お金を払ったこと(と研修に出席したこと)だけだ。”と痛烈な批判がなされていますw

それで、結論としては

  • 「ちゃんと学び始める」ための一歩になれば
    • このたった数日で完成するものはなくても、自分自身が「腹をくくる」までは行けるはず
  • 少なくとも今の環境で身の回りに「自信を持ってスクラムを実践している」ような人はいない
    • 本物の思考に触れてみたい
  • 社内で暗黙的に「アジャイル/スクラムに詳しい人」になるよりは、権威付けをしておいた方が効率が良さそう
    • なので、一応は形式的にも認定を持っておきたい

を期待する価値として定義しました。

どこの研修を受けよう?

早々にCSMに絞ったのですが、公開研修を提供している企業にはいくつか有名所があると思います。時期的に、どの会社もオンライン開催になっていたので地域や日程は大きな問題になりにくいです。

Odd-e、アギレルゴコンサルティング、アトラクタの3社が有名なのかな・・・・と悩んだのですが、ちょうど良い時期に↓のニュースが流れてきます。

www.attractor.co.jp

これに安心感を得て、アトラクタが一歩リード、ほぼ確だな〜と。
・・・で、もう少し調べてみると、メンバーが自分にとって「豪華!!」だという事が分かりました。
直近1年で読んだ中でトップレベルに良かった「プロダクトマネジメント」の翻訳者、それと並ぶか超えるかくらいに良かった「エラスティックリーダーシップ」の寄稿者、めちゃくちゃ刺さった「レガシーコードからの脱却」「みんなでアジャイル」の翻訳も・・・
ドリームメンバーみたいな状態だなって気がしてしまったので、コチラにお世話になろうと思った次第です。

当日に得たもの

座学とワークショップな3日間でした。
初日にグループに分けられて、同じメンバーでワークショップに取り組んでいきます。
自分以外に開発者はおらず、なんとなく「ビジネスよりのメンバーとプロダクト開発っぽい話をするのって久しぶりだな」と感じましたし、もっと言えば「どう開発するか?以外の部分が話題の中心となる」という経験は初めてかも知れなくて、新鮮な気がしました。 ワークショップは、スクラムの流れを一通り体験しながら、(コードを描いたりデザインをしたりはないものの)1つの「プロダクトを作ってみる」という内容です。
プランニング、プロダクトのスライス、優先度ぎめ、スプリントでインクリメントを作り上げ、そしてスプリントレビュー = プロダクトへのフィードバックも。そのあとにレトロスペクティブですね。 リファインメントして、次のスプリント。

実際に技術要素を用いて市場に出すものを作る!!というのとは程遠いとも言えるかも知れませんが、1つ1つに「なるほど、そういう事なのか」と思わせるようなエッセンスが散りばめられていました。
座学、ワークショップ、講評とQ&Aという知識と経験のI/Oが揃っていることで、どんどんと理解が深化していくような体験です。

(余談ですが、グループごとにSlackのチャンネルが用意されて「そこを自由に使っていいよ」という設定だったのですが、自分のグループは講師陣に「どのチームよりも、本当にプロダクトを作るような雰囲気のやりとりがされていた。スタートアップ企業みたいな」と言われたのは何となく嬉しかったです。)

短い時間・・「1スプリント○○分」という、極めて切り詰めたタイムテーブルを用いた架空の設定でも、実際に「チームがこういう風に進化していくのか」というのを感じられました。
特に、最初のスプリントはどのチームも「時間が足りない」といって居たのが、その次のスプリント最後のレビューでは「ちゃんと製品へのフィードバックをもらえる」ところまで形になっていたりとか。

自分のグループなど、最初のスプリントレビュー後にはプロダクトバックログをひっくり返すレベルで「何をしなければいけないか」を組み直す事態になった(というかチームに提案した)のですが、それでちゃんと「コアバリューが見えた、チームの目線が揃った」というのは新鮮な体験でした。
「何を提供したいのか」ができると、チーム内からもブレイクするーとなるアイディアも出てきやすくなるし、レビュー時にもステークホルダーに対する「ここを観て欲しい、評価して欲しい」というポイントがシャープになります。
というのを実際に体験できました。濃ゆい時間。

学んだこと

自分がもっとも腑に落ちた・大事にしたいと思ったのは、「スクラム(反復と漸進)はフィードバック駆動」という観点です。(こんな言い方をしていたわけではない気がする)。
勉強したての頃、印象深いのは「デイリースクラム」と「レトロスペクティブ」な気がしています。
しかし、価値を実現するための重要要素として「スプリントレビュー」があるぞ、と。

スクラムマスターの仕事は「デモまで連れて行く」「外に引っ張り出していく」「そのために抵抗や誘惑に抗う」ということであり、それが出来なければ「フィードバックを得られない」から。 そして、「次のスプリントが楽しみだという状態を作る」と。

チーム作りや技術課題へのしなやかな対応もとても大事で、不可欠なものですが、自分にとっての「スクラムは何をしなければいけないか」の優先順位が変わった!と思えるくらいの衝撃でした。

研修内容について事細かに触れるわけにはいかないので、ざっくりとはしますが、とにかく「1番重要と思える学び」についてはこの点だと思うのです。

研修を終えて

やはり「スクラムマスターになった」・・・というわけには行かず、あくまで「最初の1歩を踏み出した」くらいのもんだと思いますが。
ポケモン(初代)でいえば、マサラタウンを出て1番道路に入りましたくらいの。
ただ、「スクラムを学び始めた人になった」とは胸を張って言えると思うのです。

これまで資格や認定、研修などには縁のなかった人生ですが。
物凄い濃密で上質なインプットをもらえたと思っており、「なるほどこれが世の人々は知っていた、研修のすごさ・・!」とも思いました。
その後に「金を払って勉強をすること」へのハードルが下がった、積極性がかなりましたので、そういう意味でも自分にとって非常に意義のある経験となりました。

研修の最後に、トレーナーのharadakiroさんが言っていた 「(偉大なるスクラムマスターになるための)スクラムマスターとしての自分のバックログ」は常にメンテしていってほしい
という言葉は、これからも折に触れて思い出すようにしていきたいなーと思っています。