「ふりかえり読本 実践編~型からはじめるふりかえりの守破離~」

この記事は 「ひとりでアジャイルo0h② Advent Calendar 2021」のday-14です。 adventar.org

day-14は「ふりかえり読本 実践編~型からはじめるふりかえりの守破離~」です。

booth.pm

どんな本

ふりかえりガイドブックの森一樹さんの技術同人誌です。
2019年の技術書典7で販売開始とのことで、こちらの方が先で書かれたものになります。

「ふりかえりの型」という概念を導入して、状況に応じてどのようにふりかえりを設計するとよいか?というヒントを与えてくれます。

(目次より)

  • 2.1.1 短期間をふりかえる
  • 2.1.2 よいところを伸ばす
  • 2.1.3 問題を解消する
  • 2.1.4 学びを最大化する
  • 2.1.5 関係の質を高める
  • 2.1.6 多角的に捉える
  • 2.1.7 長期間をふりかえる
  • 2.1.8 未来を描く

「ふりかえりが何故必要なのか?」や「どうやったら、ふりかえりの目的を果たせるか?」という基礎的な部分は別の書籍等に譲りつつ、この本は問題解決のよりHow-to/実践に寄った内容が主題となっています。

お気に入りポイントかいつまみ

「型」がわかりやすい

ふりかえりの設計をしたりファシリテーションをする際に、「何を目的とするか」は最も工夫し甲斐のあるポイントの1つです。
それは、勿論チーム状況の観察に立脚したものになります。

しかしながら、ある程度のパターンがないと、「どういう状況で、なにを課題としてどうやって次のステージへ進めば良いのだろう?」というのは閃きにくいものです。
この本で掲げられている「型」は、正にそういったヒントとして即効性のあるフレームだな、と感じました。

他の本でも「イテレーションのふりかえり」「プロジェクトのふりかえり」だったり、「チームビルディングに」「感情に焦点を当てる?学びに焦点を当てる?」という切り口は提供してくれているものがあります。
本書は、それだけでなく「より問題の解決にフォーカスする」「よりパートナーシップにフォーカスする」といった、時期・成熟度を問わずに採用できるような型が紹介されているなぁと感じるところです。

「カタログ的に紹介したアクティビティから、選択して『コース』を組み立てる」ような流れではなく、「型→それと相性の良いアクティビティの紹介」という構成になるので、目的から逆引き的にいろいろなアクティビティに出会うような内容といえると思います。

もちろん、「型」にだけ囚われずにコンテキストに沿ったアジェンダを用意するほうが望ましいとは考えますが、そもそも「ずっと同じアクティビティを使っている」とか「ふりかえりって、どういう効果を求めれば良いんだろう・・?あまり具体的にイメージできてないな」といった人にとって、こうした考え方が提示されるのは「次に進むためのヒント」としてかなり大きいのではないでしょうか。

カラー写真嬉しい

各アクティビティの完成図的なイメージが、ホワイトボードの写真で掲載されています。
デフォルメされた図や概念図的なイラストではなく、「実際(っぽい)写真」が使われているのは嬉しい点です。

これによって、「実際にやるとどんな感じになるのかな〜」というのがより具体的にイメージしやすくなりました。

まとめ

說明も簡潔でありながら丁寧で、「どうやって使っていくのか」が想像しやすいのが嬉しい1冊でした。
こうした本を読むと、やっぱり「ふりかえりってとってもクリエイティブな活動だな〜」という感じがしてきます!