PHPカンファレンス関西2024 #phpkansai に登壇してきました

2024/02/11に開催された、PHPカンファレンス関西2024に参加しました。

【非公式!前夜祭】 PHPカンファレンス関西2024 - connpassから含めて参加し、またカンファレンス翌日に行われた PHP Lovers Meetup vol.4 + OSS Gate in 関西 - connpassにも途中まで参加して、2泊3日の大阪滞在でした。

参加記は、前回のエントリーに記録しています。 daisuki.nichiyoubi.land

「アプリケーションエンジニアこそ「監視」だよね!と私が考える訳」というタイトルで登壇の機会をいただいいたので、ふりかえってみようと思います

fortee.jp

↓これは、聴きに来てくれた人が投稿していた、雰囲気がやばくて好き過ぎる1枚。
(このスライドがどのくらい迫力出るかな〜・・・言ってもフォントは上品だし・・・とか気にしていたのですが、この写真に関しては想像以上だし良かった。)
でろさんありがとうございます。勝手に貼ります。

発表資料はこちらになります。

会場で$room['b']に聴きに来てくださった方、資料を拝見してくださった方、ありがとうございます。
部屋に人がたくさん集まってるの、緊張するけどマジで誇らしい気持ちになる。毎回。

今回は、カンファレンスの軸の1つである「初心者向け」*1をテーマにした発表となりました。

ありがたいことに、インターネット上で(想像の何倍もの)反響をいただき、嬉しい言葉もたくさん見かけることができ、何か受け取ってくれる人がいたなら発表してみて良かったなぁと強く感じるところです。

(リアルタイムでのSNS(X)上での反応のボリュームと、はてブやSpeakerDeckのView数などのボリュームが結構ギャップがあるので、ここは自分の発表の工夫が必要なんだろうなぁ・・・とも思います。伸びしろ!)

今回は結構「こういう風に反応してもらえれば」を狙いに行った

「こういうのが届けば良いな」とか「こういうメッセージが設計の中心だな」といったことは、勿論いつも考えるのですが。
今回は、特に「こういうリアクションを引き出したい!!!」という意識が強かったです。
たぶん、公式に「初心者向け」という設定を受けたいた事で、普段とは異なる形でのミッションめいたものを自分なりに感じていたのかな?と思います。

「自分には怖い/難しいと思っていたけど、やってみよう/やってみたいと思った」が、それです。
いわゆる「言われて1番嬉しいこと」を想像して、臨んだ形に。
(SRE文化的に言えば、プリモーテムをふんわりして資料を設計した気が・・w)

どうですか、実際にこういうリアクションをいただけてるんだから最高じゃないですか????って気持ちに。

別に自尊心を満たすことを主目的にこうした活動に取り組んでいる訳ではないですが、自分なりに考えて「こういう風に伝われば1番価値がある」と判断した所に落ちているのは甲斐を感じるし、発表やコミュニケーションという意味では自分なりの実力向上の手応えを感じられて、嬉しいです。

自分は割と「話したいこと」「言いたいこと」を盛り込むスタイルが多いので、今回は「伝わってほしいこと」を重視した結果として色々と削ぎ落としたりもしており、反響が得られた事に安堵もしています。

「そういうことだよな」と言ってくれる人にも届いたのも嬉しい

メインターゲットは「初心者」で、一方でマネージャーやテックリードのような「巻き込む側」「見渡す側」の人をサブターゲットとして考えています。

発表前に割愛したスライド、だけど考えは変わってないです

懇親会で、某社の上級マネージャーのロールを担っている人から「そういうことですよね〜〜!!」と力強く感想を伝えてもらったのは特に印象に残っています。それ以外にも、肯定的なリアクションをいただけて「うまく言ったかな」と思いました。

・・・あと、SNS上で受けた反応も驚くくらい嬉しかったのでした!

sogaohさん、自分なんかから見たら遥かにコッチ側のトピックについてのプロの人で、その人からこう言ってもらえるのは嬉しい話で。
リプ送るのこそ遅れたけど、会場でポストを見かけた時に小さく「ヨシッ」って言ってましたw

武田さんマジでいつも愛が深いコメントをくれるので(自分の発表に関わらず、他の人にも・普段から)、もし自分が本を書くことがあったら解説の執筆をお願いしたい人No.1すぎる。

「手を挙げて心を動かして巻き込まれていく人」は強いと思うんだけど、その人を巻き込むためのハードルの下げ方や呼び水設計は提供する側の努力だよなぁ・・・と思うと同時に、人が新しい所や他人とともに動くのは「共同の目的を持つこと」がとても大事だと自分は思っているので、どの領域に居ても越境を生み得るミッションは意識しておきたいよなーってところ。

ここまでが、PHPコミュニティを通じて直接的に交流のある距離の人たちで。

nwiizoさん、多分ここがティッピングポイントになって拡散したかな〜って気がします。
それにしても、こんな風に言っていただけるなんて・・・・

2023年もSRE再考と叫びなさい‼️ とか好きで、何度も読んだ気がする。

azuさんに見られておる
(いつも、この「見てる」を観測すると「おっ、はてブに載ったか??」ってチェックしに行きがちw)

kazeburoさん!?!?光栄が過ぎる

と、プレゼンスの高い方やSRE領域に深く関わり活躍している方々にも反応をいただいていたり、はてブをたくさん付いておりまして、発表した甲斐があったなぁと思います。
前職時代のSRE系の人だったり、昔居た会社のSRE現CTOが見てくれてるっぽいのも、結構嬉しかったです。
色々な人に届くといいな〜〜

内容についてのコメントや、それ以外に「資料分かりやすい」的なコメントも付いていて、コレはホッとしたなぁ・・・・
構成としては、結構散らかっていますからね。
「浅く広く」「わかったような気にはなるけど何も分かってないかも」的なものになってしまうのを逃れられなかったので、スライドの作りとして工夫を凝らしたりして、それが良い効果を上げたのかな?と思っています。後述。

発信するメッセージについて

今回のスライド、まじで最近の自分としては珍しいと思うのですが、コードリーディング系の発表でないのに「参考書籍」「引用した本」が本文中に1つも出ていないという。*2
作っている時からして、新しい本を通読もつまみ食い的な読み方すらもしなかったのですが、個人的にコレはすっごく珍しいです。ここ数年で初めてかも?という気もする。だいたい、知識を仕入れながら言語化作業するので。*3

それも理由があって、プロポーザルを出した時点で「内容の3割〜半分くらいは、過去の発表や考えたことのリバイバルになるなぁ」という予感がしていたのですよね。特にコネヒト時代に身に着けたことは、中心的になるだろうなーなどと。*4

そういう背景もあり、資料作成中に会話する機会のあった id:asumiso などには「今回はお気持ち系なんだよね〜」なんて話をしてました。
結果的に、あまりエモエモはしませんでしたが!

その代わり、「どういうメッセージを中心に添えたいか」は、いつもよりガラガラと入れ替わったり悩んだ感じがします。 言いたいことたくさんあるぜ!!!みたいな。湧いてくるんですよね。

思いついたタイミングで、個人Slackにペタペタ殴り書きしていたのですが。

とまぁ、何かブツブツ言っているわけです。

バシッ!とキーメッセージが決まるまでに時間がかかったのは、結構珍しい気がしています。

考えているうちに、やるべきなのは

  • 聴いている人に、自分にとって「出来るし、意味があるんだ」と感じてもらうこと。もっと言えば「今のアプリ開発が更に楽しめるようになるかも!」とワクワクしてもらうこと
  • 知識を身につけるような役に立つ話ではなく、聴いている人の気持にアプローチすること

なのかなぁと思いました。

そうした結果、何が起きたかというと、「SRE」「DevOps」とか「テレメトリ」とか「オブザーバビリティ」みたいな言葉、一切使わないでいくぞ!!と。
「アラート」も「障害対応」も無くしたので、過去資料から引用できる要素も減っていったのですが、「新しいことを多く知るための機会」よりも「1つのフレーズだけ覚えてもらう」くらいの方が、「初心者」にとって勇気が出るか・・・とか。

スライドの「おしながき」も半分近く変わっていったので、プロポーザルに書いてなくてよかった・・とか思ったりもしました。

before: 割と「パワーつけるぞ!」なところも狙いに行っている感じ

after: 内発的なところをくすぐるようにフォーカス

この発表でなし得たいことを考えると、「優しくなる必要がある」という考えが浮かんできて、途中からはそれを主軸に自問自答しながら資料を作っていました。
「本当に、この説明は優しいか?それとも、自分の言いたいことを押し付けようとしていないか?」的な。
それこそ、新しい知識で「お勉強になるような説明」っていうのをかなり削った・・ハズ・・・
「§2どういうことしてるの?」の前半だけは、用語集みたいなコーナーなのですが、それ以外には「語の定義」に費やす時間を作らないようにしました。説明を端折る、という意味合いではなくて、説明しなきゃ進めないような新概念の提供を嫌え、という。
”なるべく小難しい話は避けたつもりです!!!”って最初に言ったのは、そういう事です。

「オブザーバビリティの柱」とか、やりてぇ〜〜〜って最初は思ってたんですけどねぇ。随分と違う景色を見ることになっています。

フレーズとかスライドの作り方とか

「書籍の紹介がないのが珍しい」と言いましたが、あともう1点、外部登壇でいらすとや素材を使ったのが久しぶりな気が。
過去の資料から引っ張ってきたからそうなった〜という背景ではあるんですが、かわいいイラストの効果すっごい。やわらかくなりますねぇ。
いらすとんは好きなので入れました。*5

「物語」というのを、全体を通して目立たせるキーワードにしていて、SNS上で「物語って考えるの良いな」的にそのポイントに言及をしてもらっているのも観測できたので、これも甲斐を感じました。
「ストーリー」の方が響きいいけどなぁ〜って最初思ったんですけど、5文字になると幅取るんですよね。なので、感じで物語に。

強いて言えば、どこからも「お前(アプリケーションエンジニア)が始めた物語だろ」という反応がなかったのだけ残念。よくばり過ぎか。
「データベースが重いんですが?じゃねぇんだよ、誰がそのクエリを書いたんだ、胸に手を当てて考えてみろよ、お前が始めた物語だろ」的な感じで使ってください。

スライドの作りに関しては・・・
15分枠で80枚ほどのボリュームなので、少なくはないんですよね。
phpcondoのLTの反動で ゆっくり喋りたい〜〜って周りに対しても言ってたのですが、なんでこの量か?というと、おなじスライド・同じイラストのリフレインが多めになっています。

割とサブトピックが散らかっているし、アイスブレイクのスライドも厚めだった上に章立ても4つと(15分にしては)多く、まとまりが悪いです。
その上、「実はそこまでゆっくりのスピードじゃなくない・・?」というのもあり、「聞いていてキツい、迷子になる」というのを避けるため、話の「まとまり」を演出したいと思いました。

そのため、伏線回収というか天丼というか、同じスライドの再掲載やアレンジ掲載が多くしてみました。強引に、思考や意識を戻すための手段として。
どうだったんでしょうね?一定の効果は上げていると思いたい。

「まとめ」を序盤でいきなり突っ込んだのも、このトークの全編を通じてキーワードとしたい単語を早めに登場させるぜ!方向性を宣言させるぜ!!って意図でやってみました。
自分は使った事なかったけど、便利だな。「まとめ」って言い方をすると、直前からの繋がりがあまり無く割と強引にカットインさせても、さほど浮かないかな〜という。

発表について

本当に「ゆっくり喋りたい、憧れる・・・」だったのですが。
出来上がった枚数を見て、「15分は900秒だから、じゃあ1枚10秒くらいはある?それって楽勝?忙しい??」などと考えながら、何も分からなくなっていました。
アーカイブがもし公開されたら、自分がどうやって喋っているかをチェックしたいです。

あと、「このテーマなら、こういう話し方をしたいな〜」っていうのをイメージした上で、そのロールモデル的な人の発表を聴いてイメトレする!的なことを、しばしばするのですけども。
わざと影響を受けるように、好きな人の発表を耳から流し込む〜みたいな。憑依させたい。

例えば、phpcondoの時は静かだけどパッションが滾る感じでテンポが良いやつ!!と思って森さんだったり、 今回で言えば、前日のYAPCを移動中に視聴していた関係で、バスを降りてからあらたまさんの発表を聴いていたので、「コレだ〜〜〜」ってなっていました。

どうだったんだろう、降ろせたのかな、答え合わせしたいな・・・

今回のお話の先

「興味を持ったら自然と世界が広がるはず!!」という想像と、「気軽にやってみて少しだけ踏み込んでみてほしいな」という願いを込めての発表だったのですが、コレを聴いて「じゃあ明日から何をするか?」っていうと、そこまでのナビゲートは、この15分ではしていないはずだよな・・・とも思います。

本当に「自分が作った機能が、ちゃんと元気に動いているかな?」に日頃から興味を持っていく〜〜が大事な気がする。
発表中に盛り込めなかった比喩として、「ルンバを買ったら、ルンバが機能するように部屋を片付けるっていうでしょ?」「それに似た話で、アプリケーションも、機能を作っただけでは動くとは言い切れないので、動くところまで手を入れて記にしていきたいですよね」みたいな感覚がありあます。

これを日常業務でやるとすると、

  • 何かを作って、リリースしたあと、目星をつけて監視をしておく
  • 自サービスのピークタイムにおいて、「どこが負荷になるのか」「ボトルネックはどこか」を把握しておく。その「なぜ」を考えて、分析してみる
  • 日々の障害に対して、FtSポストモーテムに触れておく・復習してみる

とかって行動になりますかねぇ〜・・という感じです。

知識や感覚を磨きたいなら、富所さんの「低速化する技術」とか、清家さんの発表もオススメできそう。

www.youtube.com

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本格的に(少しずつ)知識をインストールしていくぞ!!ってくらい、テンションが上っているなら

  • 「入門 監視」はマジで読んでみると良いです
    • 興味がわかない・わかりにくい部分は読み飛ばしてもいいので
  • オブザーバビリティツール(NewRelicでもDatadogでも)を入れていたら、その画面を色々と触ってみると面白い?
  • CloudWatchは、各サービスについて「メトリクスの意味」「おすすめの集計方法」を書いてくれているので、気になる項目はそれに目を通してみるのも面白そう
  • 社内で、しっかりDevOpsをやっている人がいるなら、アラートし込んでいるメトリクスとRunbookを読んで「想像力」を広げてみたり

いずれにせよ、あまり、最初から「遠い」所に手を広げすぎなくても、自分の仕事のすぐ近くに隣接しているところから触れていってみる!というのが、出来ると良いんじゃないかなぁと思っています。

最後に

ダラダラと長くなってしまいましたが、自分の登壇ふりかえりでした!!!
誰が読むんだろう〜〜誰かに読んでもらう気があまりないのかも〜〜自分のために書いてます〜〜〜〜〜と言い聞かせつつ。

改めて、素敵な機会を頂いて、PHPカンファレンス関西のスタッフの皆様ありがとうございました!
イベント制作者の意図した世界観の醸成や肉付けに、少しは貢献できましたかね?そうだと良いな〜〜

お疲れ様でございました!

*1:以降、何か偉そうになって違和感を感じるので、カギカッコ付きで「初心者」と表記します

*2:読み返していて、あまりにも「やっぱり入門監視すぎる」と思ったので、配布版にはAppendixを足しています

*3:ただ、Ask the speakerとか会場で盛り上がった時用に、紹介したい本を現地に持って言ってたんですけどねw 重かった・・&結局使わなかった・・・w

*4:詳しくは、スライド最後のAppendixを見てもらえると

*5:監視対象がかぼちゃになったのは、いらすとんにあった素材に寄せた結果でもある