”あれの元ネタを探りに行く"、準備はできている。旅は始まっていない。

この記事は積読 Advent Calendar 2023、2日目の記事です。
昨日はげんえいさんまだ読んでないけどおすすめしたい本 2023年版 | gennei's blogでした。
随分と面白そうな書籍が紹介されていて・・・というかこの中から実際に”積んで<購入して>"しまったのですが、これが25回続くんですか。恐ろしい…

こちらが、「積読は体に良い」というコンセプトを表現したイラストです。温かく居心地の良い雰囲気の中、多くの本に囲まれてリラックスしている人物が描かれています。

ChatGPTさんに挿絵も書いてもらいました。
本に飲み物を置かないでおくれ。

さて、私からは、「この言葉を浴びたい!!!!」と思って買ったbut積んでいる本たちの紹介です。
思想や知識と出会うのは「旅」のようにも感じます。
そんな可能性を予感する本が「もう自分の家に積んである!」というのは、すなわち、「旅に出る準備」は出来ているという事です。
積んでしまえば安心、いつでも出発できますので。

・・・・これを「安心」と呼ぶのか「慢心」と呼ぶのかは、人次第でしょう。

という訳で、5冊ピックアップしてみました。
順不同で紹介します。

積読の紹介

Project Myopia

Project Myopia

Project Myopia

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翻訳の発売当初から一気に話題になっていた『Team Toplogies』で、こんな言葉が引用されています。
自分以外にも、強く印象に残っている人が多いのではないでしょうか?

ハイパフォーマンスなチームを解散するのは、単なる破壊行為では済まない。企業レベルのサイコパスと呼ぶべきものだ

この出典が、こちらの『Project Myopia』になります。

プロジェクト単位での「コツ」「ノウハウ」は、日本語でもアクセスできるリソースが充実していると感じます。
しかしながら、プロジェクトを超えた先の、「機能する安定したチーム」を実現し、育むには・・?という情報がもっと欲しいな、とも思います。自分も組織周りの仕事をしながら、良い文献がないかなぁと探していました。

そんな時に、チームを解散させる事に対して強い言葉で批判している本がある!!!となれば、気になっちゃいますよね。

サーバントリーダーシップ

サーバントリーダー」、十分に普及していてよく耳にする言葉だと思います。
何となくは分かる。が、しかし「理解がふんわりしていないか?」とも感じます。

ロバート・K・グリーンリーフ博士は、サーバントリーダーシップの提唱者です。
その人の著述が書籍化されている、よし当たってみよう!という次第です。

自分の周りでも、「自分はサーバントリーダーである(を目指している)」と発言している人を目にすることがあります。
しかし、その実、「自身の考えを述べない」「しっかりと周りを導いている感じがしない」といった振る舞いが見られて、これは機能不全的な中立と何が違うのか?とも感じました。
ただの「執事のような親切なお世話係」であれば、それで良いのだと思うのですけど。「リーダーシップ」を持っているとは言えないのでは・・・?という違和感です。

多分、本来はそうじゃないんでしょうね。
この言葉を嫌いになる前に自分の目でちゃんと見ておこう、と考えて積んだ1冊。

Quality is Still Free

ワインバーグのシステム思考法 ソフトウェア文化を創る〈1〉は興味深く刺激に溢れる本なのですが、その中で次のような一節があります。

クロスビーの『品質はタダである』という本を読んだ方々は, ソフトウェア品質についてのわたしの見方がクロスビーの見方とおおむね一致していることに気がつくだろう。

G.M.ワインバーグ・大野 徇郎訳 (1994)『ワインバーグのシステム思考法 ソフトウェア文化を創る』共立出版, p.17

「品質はタダ」という言葉自体もキャッチーですが、ワインバーグ氏の品質に対する考え方の軸みたいなものを深く眺められるのであれば、それは触れておきたい・・・と思ったのです。

加えて、この言葉を聞いた時に、このブログ記事を想起しました。

「品質“実質”無料キャンペーン」を開始しました - pixiv inside

当時も「すごいインパクトのある呼び方だ〜」と思っていたのですが、元ネタがあるのか!!!と。 今、改めて読んでみると、本文でも触れてありました。

実際のテーマにする際には、クロスビーの「Quality is Free」にあやかる面もありました

当然、「質とスピード」のt-wadaさんも言及があり。

品質を犠牲にすることでソフトウェア開発のスピードは上がるのか? 和田卓人氏による 「質とスピード」(後編)。デブサミ2020 - Publickey

ここまで来たら、もう原典にも興味津々で、買うぞ!!!と意気込んでいたのですが・・・
日本語訳のクオリティ・マネジメント―よい品質をタダで手に入れる法も、原典のQuality Is Free: The Art of Making Quality Certainも手に入りにくそうな雰囲気でした。

なんとか、「Quality is Still Free」は中古で入手できたので、読むぞ!!!と思っているところです。

企業文化

業務上、あるいはアジャイルソフトウェア開発やリーダーシップについての学びを進める中で、組織や企業における「文化」は自分の中で最重要なトピックの1つになりました。
「良い文化を作ろう」「文化を強く浸透させよう」と、こんな調子ですね。

しかしながら、「じゃあ企業における文化とはどんな存在なのか・・・説明できるのか?」と思ったタイミングがありまして。
気になってしまったものは仕方ないので「元ネタと呼んで差し支え無さそうな存在に当たってみよう」です。

エドガー・H・シャイン博士の書籍は、一気に家にやってきては増殖を続けているような印象がありますね・・・・

「組織文化とリーダーシップ」も気になっているのですが、こちらはまだ手に入れておらずにいます。

エンタープライズアプリケーションアーキテクチャパターン

これは「読む」という感じなのか・・・?という気もしつつ。
それこそ「UnitOfWork」とか「ActiveRecord」とか、色々な名称・パターンの元ネタといって差し支えないはず。

なぜ読みたいのか?も、なぜ読めていないのか?も、同業の皆さんだと思い浮かぶ話はありそうで、多分それはその通りなのではないかとも思います・・・😇
まぁでも、本当にどこかで目を通しておくべきだとは思っています。がんばろう

まとめ

「元ネタ(原典)に当たってみよう」というのは、割と大事にしている気持ちです。

『チームが機能するとはどういうことか?』を呼んだ時には「心理的安全性って言葉(を口にする人)、何か嫌いだな〜」って思っていたのが覆りましたし、「顧客が本当に必要だったもの」も『オレゴン大学の実験』を読んだりアレグザンダーのパターン・ランゲージについて知って行くことで、より面白く感じられるものになりました。
割と最近になってから読んだ『人月の神話』も、非常に刺さると同時に発見もありましたし、XPなんかも『エクストリームプログラミング』を読んでみると「単なるプラクティス集ではなく、とても豊かな物語が込められているかもな」とすら思えたりもします。

これは、決して「古典」に限った話ではなくて、「みんなが知っている言葉」は「ひとまず本を読んでみておく」というのは大事だなぁと感じます。
例えば最近で言えば「4keys」「チームトポロジー」も(ややバズワード的に?)よく出回っている印象もあり、表面的に切り取って「何となく分かったつもりになって真似をする」なんて勿体ないですよね。
労を惜しんだり高を括って損をするのは悔しいので、謙虚に色々な知識・情報に触れていきたいものです。

つまり、これまでもこれからも本が増え続ける・・・・!
お疲れ様でした。