プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける
- 作者:Melissa Perri
- 発売日: 2020/10/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「Amazonでも予約注文のタイミング?によっては発売日にちゃんと届く」という事を知った、というのが本書に関する収穫の1つとなりました。
お急ぎ便使えることもあるのか・・
ということで、一昨日にかけてババーっと読んで、読了しました。
いや〜読みやすかった面白かった。すごい希望に溢れてて「なるほど、こうありたいな!」とワクワクしながら読み終わった。
どんな本?
- 「プロダクトマネジメントとは」「プロダクトマネージャーの仕事とは」という切り口で、顧客に価値を届けるためのマインドセット、組織の姿、戦略フレームワークについて書かれた本
- リリース数などのアウトプットに着目することで陥る「ビルドトラップ」の症例と、そこから脱却するには?というのが主題
- 必要なのは、アウトプットではなく顧客に届ける価値 = アウトカムに注目した、プロダクト主導の組織に代わることだと解く
- 「作ること」が目的になっていないか?「何を解決するか・どんな価値を提供できているか」に集中できているか?
- 架空の企業の物語をとりあげながら、著者自身の経験してきたエピソードやNetflix・Amazonといった「プロダクト主導」「顧客中心」で成功している企業の話も織り交ぜながら解説していく
- 全体的に平易な表現で文章も読みやすかったです。ボリュームも少なめ(224ページ)
ざっくり感想
- いまいち「プロダクトマネージャー」ってどんな仕事なの?どういう姿であるべき?というのが分かってなかったのですが、知れてよかったです
- 「何故作るのか」「どんなアウトカムを提供するのか」というのをチームにリマインドし導く仕事
- 「「何を作るのか」「どう作るのか」については、PdMではなくチームが考えるもの
- 「何を作るのか」にばかり集中して、「自分のアイディアを他人に押し付ける」のは良いPdMではない(アンチパターン: ビジョナリー、ミニCEO)
- ユーザーにとっての価値、ビジネスにとっての価値を上手く抽出・定義・実現するための方向づけを行う役割
- 「プロジェクトマネージャーは「いつ」に責任を持つ」「プロダクトマネージャーは「なぜ」に責任を持つ」みたいな話、なるほど〜
- 言うは易し行うは難し系だな〜と思いますが、いわゆる「全員をハッピーにする方法論」ではあったので、ここに近づくために少しでも出来ることはあるかな?みたいな気持ちを持っておくのは良さそう
- 「成功指標」を明確にする。そのうえで、「実験」を素早く繰り返して進んでいく
- 企業の「ビジョン」から始まり、どのレイヤーにも「なぜ」をつなげていくべきだ〜という視点が面白かった!
- レイヤー=ビジョン > 戦略的意図 > プロダクトイニシアティブ > オプション
- ビジョン = 企業がどこに向かっていくのかを説明するもの
- 戦略的意図 = "現在の状況を踏まえて、ビジョンを実現するために自分たちが出来るいちばん重要なことは何か?"
- プロダクトイニシアティブ = プロダクトの観点で課題に取り組みにはどんな問題を扱えばよいかを説明するもの
- オプション = プロダクトイニシアティブの実現のための手段
- レイヤー=ビジョン > 戦略的意図 > プロダクトイニシアティブ > オプション
- アジャイル開発が嫌いなん・・?ってくらいの雰囲気を感じましたが、批判というより「アジャイル”開発手法”で足りていない部分(そもそもスコープ外の部分)がある」というのを忘れて盲目的になってんじゃねーぞ!みたいな意思なんだと思います
- 一方で、「学習から学ぶ」「小さく素早く失敗してリスクを最小化する」みたいなところは、アジャイルと同じ方向を見ている気はする(↓に書いたClean Agileの一節とか)
アジャイルは速く進むことだと思っている人もいる。だが、そうではない。これまでそうだったこともない。アジャイルとは、どれだけうまくいっていないかをできるだけ早く知ることだ。できるだけ早く知りたいのは、そうすれば状況をマネジメントできるからだ。
Clean Agile 43